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ゴールデングラブ賞 とは

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ゴールデングラブ賞(-しょう)は、日本プロ野球選手表彰の一つ。

概要

守備力に卓越した選手が表彰されるもので、プロ野球記者投票(記者経験5年以上が要件)によって、ポジションごとに、各リーグで9名が選ばれる。ただし、外野手については、左翼手中堅手右翼手を同一のポジションとみなして選考を行う。

1972年ダイヤモンドグラブ賞として創設され、1986年から現在の名称となる。正式名称は三井ゴールデン・グラブ賞(みつい-)。三井グループ広報委員会協賛(当初は三井物産スポーツ販売が協賛していた)。セ・パ各連盟の公式表彰に準じて、特別賞として位置付けられている。

有資格者は、規定投球回数以上投球している、またはチーム試合数の1/3以上登板している投手と、チーム試合数の1/2以上同じポジションで出場している捕手野手。これを日本の報道機関(新聞、通信社、放送局)のプロ野球記者で5年以上の取材キャリアを持つ記者らの投票で選抜され、受賞者には金色のグローブをかたどったトロフィーが贈られる。
ちなみに、このグローブ型トロフィーは、各ポジションごとに(キャッチャーならキャッチャーミットといったような)デザインがなされている。

「主観」で選ばれる賞

いかに記者の野球への目が研ぎ澄まされようと、結局は記者の「主観や先入観」が反映されてしまうために、常に議論あるいは批判の対象となる賞である。これは客観的に守備力を判断できる統計指標が未整備なこともあげられる。たとえば、守備率に拠り所を求めた場合、守備範囲が広く守備機会の多い選手は高いレベルの捕球を試みるため、かえって失策も多くなり守備率が低くなる傾向がある。逆に守備範囲が狭く捕れそうにない打球に積極的に手を出さない選手は失策にすらならず守備率が高くなってしまう可能性を否定できない。メジャーリーグでは1試合平均のアウトに関わった数(これをレンジファクターという)などをデータに含めるなどの新しい試みもなされている。しかし、結局は記者の「最高の守備観」という主観に大きく左右される賞である(広い守備範囲や強肩を誇りヒット性の打球を数多くアウトにする選手、一定の守備範囲の中で確実に打球を処理し当たり前のことを当たり前にミスなくやってみせる選手、など)。

もっとも、客観的統計指標が未整備である以上に明らかに統計指標にできないプレーが存在することも事実である。例として強肩の外野手がイメージで走者の進塁を躊躇わせることがあるが、走塁を躊躇うのはあくまでも走者側の主観であり、それを客観的に外野手の功績であると判断することは難しい。逆に弱肩のイメージを逆手に取り進塁を試みた走者を刺す例もあるので、外野手の強肩が走者に危険を冒さず確実に生き残る判断を促し生還のチャンスを残したという見方もできる。この他にも守備位置の微妙な調整や捕手のインサイドワークなど、試合の状況に加えて相手や味方そして自身の癖や特性を考慮して下したその場の判断を客観的に評価し指標化することはまず不可能であり、どうしても個々の野球理論に基づく主観により守備への貢献の度合いを判断せざるを得なくなる。しかも、記者たちは全試合における全野手の動きと思考を細かくチェックできるはずもなく、現行の記者投票のシステムである限り主観や先入観が入り込むのはいたし方がないとも言える。

選考結果に疑問が投げかけられたケース

前述のとおり、投票する記者の主観に大きく左右されるために、この賞の選考に当たっては、チーム成績、打撃成績、過去の印象、人気、知名度など、純粋な守備力以外の観点が重視され、必ずしも最も守備に卓越した選手が受賞しているわけではないとの指摘がしばしばなされている。
  • 1979年 セ・リーグ 捕手
    • 若菜嘉晴阪神)が捕逸のセ・リーグ年間最多タイ記録(17個)を作ったにもかかわらず受賞した。
    • 玉木正之が当件を例として批判を述べている。
  • 1981~1983年 セ・リーグ 外野手
    • 松本匡史(巨人)が3年連続受賞したことに対し、玉木正之は、弱肩で有名であることを理由に批判を述べている。
  • 1984年 セ・リーグ 遊撃手
    • 1985年優勝時の正遊撃手である平田勝男(阪神)が初受賞(その後1987年迄4年連続受賞)し、遊撃手守備率日本記録(.991)を樹立した水谷新太郎ヤクルト)は選ばれなかった。
    • 玉木正之は守備率日本記録を樹立した選手が同賞に選ばれなかったことについて批判を述べている。
  • 1988年 セ・リーグ 二塁手
    • 正田耕三広島)が前年度に続き連続受賞(その後1991年迄5年連続受賞)し、二塁手守備率日本記録(.9971)を樹立した高木豊(大洋)は選ばれなかった。
    • 同賞に選ばれなかったことに関して、高木は公式に不満を表明した。 また、当件についても玉木正之は例としてあげて、批判を述べている。
  • 2005年 パ・リーグ 外野手
    • 負傷などで満足にプレーできなかったSHINJO北海道日本ハム中堅手)が外野手部門において最多得票を得たため、新庄自身が「来年からは、印象ではなく数字で選んで欲しい。そうでないとこの素晴らしい賞の価値がなくなってしまう」 と記者にコメントし、授賞式を欠席すると発言した。

守備成績における優位者と実際の受賞者が異なっている例

歴代受賞者

パシフィック・リーグ

セントラル・リーグ

ゴールデングラブ賞に関する主な記録

個人最多受賞回数
12回 福本豊(1972年~1983年、パ・リーグ 外野手)

個人最多連続受賞回数

12回 福本豊(1972年~1983年、パ・リーグ 外野手)

個人最多受賞ポジション数

3ポジション 立浪和義(二塁手3回、三塁手1回、遊撃手1回)

10代での受賞者

桑田真澄(1988年、セ・リーグ 投手)
立浪和義(1988年、セ・リーグ 遊撃手)
松坂大輔(1999年、パ・リーグ 投手)

チーム最多受賞ポジション数

8ポジション 阪急ブレーブス(1978年、パ・リーグ)、西武ライオンズ(1992年、パ・リーグ)

優勝チーム最少受賞ポジション数

0ポジション 中日ドラゴンズ(1999年、セ・リーグ)

その他特筆すべき過去の受賞例

同一球団所属の複数選手が特定部門を長期間独占的に受賞した例
  • セ・リーグ投手部門
    • 2003年まで32年間(延べ33人)中30人(90.9%)が受賞時点で巨人に所属、もしくは過去に所属していた選手。この間、巨人への所属経験のない投手が受賞したのは1986年の北別府学(広島)、1993年の今中慎二桑田真澄(巨人)との同時受賞)、2001年の野口茂樹(いずれも中日)のみ。
  • セ・リーグ一塁手部門
    • 1999年まで28年間中26人(92.9%)が受賞時点で巨人に所属、もしくは過去に所属していた選手。内訳は王貞治9回、中畑清7回、駒田徳広10回と3人で独占的に受賞。
チームの成績の躍進により多数選手が受賞した例
  • セ・リーグ
    • 1992年に最下位から2位に躍進した阪神は前年0人だったが同年4人に増加。このうちパチョレック・オマリー・亀山は通算でもこの年のみの受賞。翌年は2人。
    • 1998年に日本一になった横浜は前年2人だったが同年は5人に増加。投手を除く内野の全ポジションを独占した。翌年は2人、2000年以降は金城龍彦(2005年・2007年)の2回のみ。
    • 2003年にリーグ優勝した阪神は前年0人だったが同年は4人に増加。翌年は1人。
  • パ・リーグ
    • 2005年に日本一になったロッテは前年0人だったが同年は5人に増加。翌年は2人。
    • 2006年に日本一になった日本ハムは前年1人から同年は5人に増加、外野の3ポジションを独占した。

参考文献


脚注以外の参考文献
  • 『The Official Baseball Encyclopedia'94』(社)日本野球機構、1994年
  • 『ベースボールレコードブック』ベースボールマガジン社、1997年~2008年
  • 坂本邦夫『プロ野球データ辞典』PHP研究所、2001年

関連項目

外部リンク

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